cinnamon teacup

エンターテインメントに支えられている人の、ぽつりぽつりとしたひとりごと

傘を持たない蟻たちは 感想


こちらを読了したので忘れないうちにレビュー。

まず各メディアではNEWS加藤シゲアキが殻を破って性描写に挑戦したとか言われているけど
肩書きなんて正直どうでもよくって。
小説家加藤シゲアキが純粋に短編集を出した、ただそれだけのことだと思っている。

前作までの渋谷3部作とは違い、いくつかの読み切り短編。
それだけに小説初心者でも取っ掛かりやすい作品ではあると思う。
ただ、短編に男女の絡み(もしくは男同士の絡み)が必ず入れてあって、
それぞれの描写が浅い。まだまだ足りない。
どうせ書くなら長編のほうが彼には合ってるんじゃないかな。

自分で書いてから言えよと言われればそれまでだけど、
あくまでシゲのファンの一読者としての意見。
その分シゲらしい言葉のチョイスはそこかしこに散りばめられていたので、
面白さも味わえたかな。 


短編を作るのは難しい、と私は思っていて
だから彼がいくつかの雑誌で短編を連載することに挑戦したことは純粋にすごいなって思う。
これからもますます加藤シゲアキはブラッシュアップしていくはずだし、
より表現力が磨かれることを期待している。

いつか彼の肩書きからNEWSが消える時が来たとしても、
小説家として生きていけるくらいに。
多分その日は遠くないと思うから、次作に期待。